形成外科?皮膚科?
形成外科の歴史が未だ浅い奈良では、形成外科と皮膚科の区別がわからない患者様も未だ未だ多く、どちらを受診すればいいの?など度々お問い合わせを頂きます。最近は形成外科をついでに標榜する皮膚科もあり、ますますややこしいのかも実際皮膚科研修をしてない形成外科医が開業時についでに皮膚科標榜してしまっている例もあって、個人的には生半可な皮膚科診療をするのは申し訳なくて…あくまで個人的には極力控えたいと思います。
「ほくろは形成外科?皮膚科?」
顔のほくろやできものはやはり形成外科が専門です。皮膚科は顔面の解剖に関しては素人なので、よりきれいに目立たなくほくろを取りたい方は形成外科を選ばれることが多く、実際皮膚科から形成外科に紹介状を頂くことが多いです。
但し美容目的ではない高齢者の皮膚がんに関しては、大学病院の形成外科と皮膚科が共同で診療をおこなう場合が多いです。
「シミ・生まれつきのあざは形成外科?皮膚科?」
レーザー治療を専門にトレーニングを受けてきた形成外科医がベストチョイスかもしれません。日本におけるレーザー治療の歴史は形成外科学会を中心に発展しており、私自身も2000年春研修医初日からレーザー治療に携わってきました。レーザー治療だけでは不充分なものや大きなものは手術を必要とする場合もある為、やはり形成外科での治療が適切といえるでしょう。
「にきび・ニキビ跡は形成外科?皮膚科?」
単に健康保険診療で塗り薬と飲み薬が欲しい方は形成外科でも皮膚科でもどちらでも構わないでしょう。むしろ皮膚科のお薬だけで治らないから根本的に治したい、ケミカルピーリングやレーザー・光治療などできれいに治したい、という方が形成外科に来院される場合が多いです。
やはり餅は餅屋ですから…アトピー性皮膚炎や湿疹や水虫は皮膚科が専門で、形成外科は専門外になります。シンプルに申しますと…形成外科は顔面を中心とした手術を専門とする診療科で、皮膚科は皮膚疾患をステロイド等のお薬で治療する診療科です。
日本の歴史を紐解きますと…戦前は皮膚科と泌尿器科が併設された診療所が多く、所謂「性病科」として発展してきたそうです。性病と形成外科は全くの無関係なので…やはり皮膚科とは違う学問であり専門外の診療をおこなっています。