梅雨明け直後から猛暑が続いていますので、なかなか奥深い~熱中症対策!皆でお勉強しましょう~heartni

熱中症対策に つ い て

■身体の機能に不可欠な電解質 人間の体の約 60%は水分と言われており、この水分(体 液)には電解質(イオン)が含まれています。電解質とは 水に溶けると高い電気伝導性を持つ物質のことで、主に ナトリウム、カリウム、クロ-ル、カルシウム、マグネシウムなど があります。電解質の性質を利用して私たちの体内では 水分量の調節、神経伝達、筋肉の収縮など、重要な役割 を果たしているため、このバランスがとれなくなると 体の機能が低下し、命にかかわることがあります。

■熱中症とは 体温が上がり、体内の水分や電解質(イオン)のバランス が崩れたり、体温の調節機能が働かなくなることで、 さまざまな症状を起こす病気のことを指し、重症度に よって次の 3 つの段階に分けられます。
●Ⅰ度 : 現場において対応可能な状態 めまい、立ちくらみ、あくび、大量の発汗、筋肉痛、 筋肉の硬直(発汗に伴う塩分の不足で生じるこむら返り)
●Ⅱ度 : 病院への搬送を必要とする中等症 頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下

●Ⅲ度 : 入院して集中治療の必要性のある重症 40℃以上の高体温、脳機能障害、肝・腎機能障害、血液 凝固障害のうちいずれか

(熱中症診療ガイドライン 2015 より)

■熱中症が起こりやすい条件と予防ポイント 次のような環境では、特に注意が必要です。 「気温、湿度が高い」「 風が弱い、日差しが強い、照り 返しが強い」「 急に暑くなった」など 意外にも、気温が低い日でも湿度が高いと熱中症にかか りやすくなります。また、家の中でじっとしていても 室温や湿度の高さから熱中症にかかることもあり、最近 ではこの様な室内型熱中症が注目されています。

【予防ポイント①:暑さを避ける】 外出時には帽子や日傘で日差しを遮るようにし、襟口や 袖口があいたデザインの服装がお勧めです。室内では ブラインドやすだれで直射日光を遮るほか、扇風機や エアコンで室温・湿度を調整しましょう。

【予防ポイント②:こまめな水分とミネラルの補給】 熱中症では水分とともにビタミンやミネラルの喪失がある ため、水分の補給に加えてミネラルの補給も重要です。 のどが渇く前からこまめに水分を補給しましょう。 スポーツ飲料は水分とミネラルを同時に補給できますが、 糖分が多いため飲み過ぎには注意が必要です。ミネラル を補給するには、経口補水液や麦茶などの方が良いでし ょう。※コーヒーや緑茶などのカフェインが多く含まれてい る飲み物、アルコール類は利尿作用があるので適しません。
【予防ポイント③:適切なタンパク質の摂取】 熱中症は水分やミネラル補給が注目されがちですが、 タンパク質の摂取もポイントとなります。 夏は暑くて食欲がなくなるため、栄養補給をしにくく 食事も素麺やうどんなどのあっさりしたもの(炭水化物) ばかりに偏り、栄養がアンバランスになります。 タンパク質が不足した場合、体内の血液量を調節する アルブミンが低下し熱中症になりやすいのです。水分 補給をする際、スポーツ飲料の代わりに牛乳(アレルギーや カゼインに問題ない方)を摂取したり、食生活を見直す こともお勧めです。

■特に熱中症を注意したい方
乳幼児汗腺が未熟で体温コントロールがうまくでき ません。また、新陳代謝が活発で体温が高いため、炎天 下の車内や気温が高く晴れた日では短時間で体温が上昇 し、生命に危険が及ぶ場合があります。外出時には水分 補給や服装に気をつけて、顔色や汗のかき方の様子を見 るようにしましょう。

高齢者】年をとると体内の水分割合が少なくなり、 暑さやのどの渇きを感じにくくなります。のどが渇いて いなくてもこまめに水分補給を行い、部屋の温度をチェ ックするようにしましょう。 このほか、運動に慣れていない方や、肥満の方、寝不足 や疲れ・持病などで体調が悪いなどの場合も熱中症が 起こりやすくなります。食事からの栄養摂取についても、 夏場は食欲が落ちがちですが、十分な補給が必要なため、 食事摂取基準を参考に最適量の摂取をお勧めします。

■応急処置 熱中症の症状が現れた場合は、まず涼しい場所に移動さ せること、衣服を脱がし、身体を冷やすことが大事です。 たとえ意識があっても自力で水分をとれない場合は、 直ちに医療機関に救急搬送しましょう。

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